観察
日増しに空は澄んでいき、夜は長くなる。
お店のドアを開けると彼は一瞬身を退いた。私も退いた。コーヒーを飲みに来てくれたのか、豆を買いに来たのか。そうであれば丁重に御持て成しをするつもりであるけれど、席に付く様子もない。
彼に一声掛けてみるが全く動じない。せっかく来られたのだからカメラで記念撮影を…
よく見ることはあっても、まじまじと隅々まで覗いたことはなかった。彼はそれほど目を合わさない。キョロキョロしているのは緊張しているせいだろうか?私に威嚇することもない。ここはやはりコーヒーを勧めてみるべきか。
しばらくファインダー越しに眺めていたら、彼に対するイメージが払拭されていった。彼は予想以上に聡明であって逞しい。例えば雨が降れば葉っぱの裏にでも隠れて雨宿りをしたり、そのまま夜にでもなってしまえばそこが寝床になるのだろう。私の生活はなんてぬるま湯なんだ。そんなことも、思ったか思わなかったか…
感心してしまった。どうかまた遊びに来てください。
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